鎌倉ヤマガラ日記

鳥の話はあれども野鳥観察日記ではない似て非なるもの

季節

忘れられていたもの

「これは復讐かもしれない」 そう思った。 数日前の、まだ薄暗い早朝のことだ。 二階から見ていて、麦と詰め草に囲まれるように見慣れぬ薄桃色の花が四、五咲いているのに気がついた。 その横には金蓮花が少しずつ葉を広げている。 あれもまた鳥の撒き餌から…

先日の雨

アカツメクサもシロツメクサもかなり咲いてきているが、全開になるのはまだ先のようだ。 詰め草の花の絨毯が映えるようになるのはいつだろう。 いや、そもそもそれほどまでに集中して咲くのだろうか。 生い茂っているので逆に花数が減るのかもしれないし、ま…

窓辺の実験室5月11日 aspect report

季節が春らしくなったかと思えば、もう夏めいてきて、今日は光化学スモッグ注意報。 季節の変わり目でもあるし、今までの実験結果の一部(一側面)をまとめておく。 下の図は、2月12日から5月10日までの、総キーつつき数と赤色LED側へのキーつつき…

青く光る波 海は夜光虫でいっぱいだ

Noctiluca scintillans 2017/05/05 Kamakura Yuigahama Beach 鎌倉 由比ヶ浜海岸 こんな由比ヶ浜の海は見たことがない。 広範囲の赤潮が海を紅に染めた夜、海は夜光虫でいっぱいになっていた。 波が青く光って打ち寄せては崩れる。 波の衝撃に反応するおびた…

桜のワイン

さくらのわいん 忘れていたローズアメシスト 流れた時のように 澄んで透明になり きっといつか あなたの唇が濡れて微笑むのを見ることがある 満ちた時 過ぎていく酔い 花のようにはらはらと散る たったひと雫の恋を 浮かべたまま いつまでも眺めていた こん…

カップの中の麦

エンドウの蔓に巻きかれた麦穂が強めの春風のせいか折れていた 大切に部屋に持ち帰って白いカップに入れてみる 若い麦の色は何だろう 空の青、それとも、草の緑か 外は快晴 風はもう五月 青き麦 空の置き忘れたる子の如し (2017/04/29)

今日の緑と白と赤

「あの、お庭のアレ、麦ですか」とお隣の絵本作家さんが言った。 「ええ、麦みたいなんですよ、餌台の撒き餌が落ちて芽が出てしまったみたいでね」と私。 「珍しくて懐かしい、一本もらって行っていいですか」 「ああどうぞどうぞ、面白くてそのままにしてる…

蓮華草という名前

花を広げ始めたゲンゲが急速に増えていく。 本当にあっという間だな。 昨日はまだ開いていなかったのに。 蓮華草という名前が定着しているけれど、大人になって子ども心を失ったこの大人はその細かな形状をもうとっくに忘れてしまっていた。 その花言葉は「…

小さくてランダムな麦畑

「野鳥の餌」の不思議と言うか当然のことなのだが驚かされると言うか、なんとそれは麦だった。 しばらく前からバードフィーダーを吊り下げた木の周囲に小さな稲の茎や葉のようなものが伸びてきているのに気づいていて、それが実に見事に木を取り囲んでいるの…

アカツメクサが咲いた

小さなことだけれど子どもみたいに嬉しい。 昨年秋に蒔いてシロツメクサより茎が高く伸びて葉も大きくなっていたアカツメクサも咲き出した。 本当に足の踏み場がないから写真を撮るために近づくと他の茎を倒してしまうことになる。 アカツメクサはシロツメク…

シラユキゲシとオオアラセイトウ

シラユキゲシ(白雪芥子)の花言葉は「清純な誘惑」なのだそうだが、「誘惑」だからと言って、アヘンになる芥子というわけではない。 緑に紛れながら、ふっと緑の中に浮かび上がる白と黄色のコントラスト。 名前のせいか植えた時には長持ちしないかもしれな…

ゲンゲが咲いたシロツメクサが咲いた

ゲンゲが咲いた シロツメクサが咲いた ただそれだけのこと ただそれだけのことなのだが でもただそれだけのことではない シロツメクサは野を模した庭一面に広げられた絨毯 ひと冬を越したものでないと咲かないと聞いていたから 冬が過ぎ春が来るのを そして…

野であるように

急速に暖かくなっていく季節がある。おそらく樹齢は80年を超えているだろう庭の桜の老木も満開を迎えたようだ。老いたせいもあり、また不在にしていた間に手入れがされなかったせいもあってテングス病が進んでしまっているので、この桜の花を楽しめる日々…

鶯の声

数日前からか鶯の声をよく聞くようになった。 よく聞くと言っても始終鳴いているというわけでも、確信して鳴いているわけでもない。 どこかまだ季節に戸惑っている、そんな鳴き方だ。 ああいう熟しきっていない鳴き方はさすがの蛾眉鳥でも真似られないだろう…

春の姿もまた一歩

窓際実験室の窓から外を眺めて、繁茂しつつある白詰草(シロツメクサ)の中に数点の鮮やかな黄色を見つけた。 一昨日気づいた菜の花ではない。 あの丸さは蒲公英(タンポポ)に違いない。 庭に行って確かめた。 そうして気づいた。 小さな、おびただしい数の…

春騒ぎ

強い風にヤマガラたちも何処かに避難したのか、朝早く一、二羽が掌にヒマワリの種を取りに来たきり羽音もしなくなった。 春騒ぎ吹きつけてくる白詰草たちの上 先日気づいたことなのだが、水仙らしい葉が昨夏繁栄を誇った金蓮花などの枯れた中から伸び上がっ…

雪霰がまた降った

たまたま外に居た。 急に視野の端になにか白いものがぽとりとまっすぐに落ちてくる。 これこれ、雪霰(ゆきあられ)だ。 昨日の雪霰と少し形が違って、今日のは型抜きしたプリンかゼリーみたいな形をしていた。 硬さも昨日のよりは柔らかい。 機能は円筒形が…

ゆきあられの後で

昨日急に降りだしたものは最初は雹(ひょう)かと思った。 硬いコンクリートの縁石に落ちて勢い良く跳ね返っていたからだ。 しかし、雹にしては表面が透明感のある氷状になっていず、ふわふわの雪の結晶を重ねたような感じで、全体的には長さ数ミリの概ね円…

枝にまぎれて

昨夜の雨で地面が濡れていた。 生温かい空気に春の匂い。 生きるということは時間をくぐるということなのかなと思う。 強い風に揺れる枝に鳥たちが蜜を吸いに来る。 今日の蜜はどんな味がするのだろう。 ヒヨドリ メジロ シジュウカラ 雨上がり春が匂うと鳥…

冬の向日葵

冬一月だというのにまた向日葵が咲いて、今回は数日咲いたままでいる。暖冬異変のせいではないと思う。 こんな恵まれない季節に咲かせた責任は私にある。いや、正確には、私とヤマガラにあると言うべきか。 日頃与えているヒマワリの種をヤマガラがつついて…

梅にヤマガラ

この梅の古木は多分私より長くこの地に生きてきた。 季節にはまだ非常に多くの実をつけて、ジュースや梅酒の大瓶が幾つもできる。 枝ぶりは長い歴史の中の成長の起伏を物語る。 ヤマガラは昔からずっとここに居たのだろうか。 小さい頃の私にはその記憶はな…

季節外れのラズベリー

鳥の巣箱にするなら太い孟宗竹がいいかと思い(まだ作ると決めたわけでは全くないのに)、昨年夏過ぎに切った竹を見に行って、ラズベリーの実が重そうに垂れ下がっているのを見つけた。 なぜこんな冬のさなかにと少し驚く。人知れず、誰も今まで気づかなかっ…