鎌倉ヤマガラ日記

鳥の話はあれども野鳥観察日記ではない似て非なるもの

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2017年8月北海道旅行から

 

8/9
 
白樺が笑った
夜の露天風呂の暗がりの向こう
 
昼間半袖では寒いほどだった空気が
裸なのに今は爽快だ
白樺の向こうに谷間の流れを見て
立ちつくす
 
忘れがたきその時のこと
 
この柔らかな硫黄の匂いの
なめらかにきらめく湯のなかの今を
私はいつまで覚えているだろう
 
 
 
8/10
 
コバルトブルーの山影の間から
流れ来る雲の海
 
輝く白い生物が
いつまでも空間を覆っている
 
かって旭岳から尾根を緩やかに辿り
石室でキタキツネに出会った
 
あれはもう夏の終わりだった
 
今はまだ夏
 
 
8/11
 
 
木々と丘
青池と白鬚の滝
 
歩いて行く
ずっと歩いて行く
 
白樺の森まで
 
 
 
 
萎縮したような
宙ぶらりんの枝を身にまとって
屹立するエゾマツの
説明のしようのない美しさ
 
この木は私の生き方に
何かを教えようとしている気がする
 
 
 
 
8/12
 
緩やかな
しかし壮大な起伏
 
近づけば丘になってせり上がり
遠のけば平野のごとくに広がって
 
身を横たえる
二次元の大蛇の群れ
 
 
 
 
背の高いポプラを
幾本も幾本も風が揺らしていく
 
細身の無口な巨人のようなポプラが
声のない歌を歌いながら
乱流のリズムを楽しんでいる
 
緩やかにうねる丘陵しかないこの土地では
風とポプラは
お互いにお互いを必要とする生き物なのだ
 
風とポプラの交歓を歌った詩人は多い
それだけ彼らの交流は長いのだ
 
そして余りにも風に馴染んだために
ポプラは風の形を受け入れてしまったかに見える
 
 
 
8/13
 
土の匂いのする太い足を持った
たくましい馬たちのばんえいレース
競うのは速さではない
力なのだ
 
夜の照明の中で
追いつ抜かれつ橇を引き
 
それでも勝負は一通り
 
 
 
 (20171130) 随分と時間が経ってから抜き書きして掲載
       この時間の経過は私が考え事をしていたからだ
       言葉に見合う写真はいずれまた
 

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志鉄木一譜(著)恋をした頃は    志鉄木一譜(著)僕のビッグバン

 

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    Looking for a Way Out by Paolo Pavan