南側のスイカズラの生け垣に紛れ込むように伸びていたツル性植物があった。
スイカズラを圧迫してほしくないと感じて、そういった蔓の類はなるべく切り捨てようとしてきたのだが、この一画、スイカズラの葉の上に覆いかぶさるように広がったツル性植物だけは、その葉の形(するりと長いハート形の光沢のある緑の葉)が気に入ったわけでもあるまいが、なんとはなしに切り捨てずに、そのままにしておいた。
そうしたら、酷暑の最後の頃からたくさんの小さな、そして、美しい白い花が咲き出した。
調べてみると、仙人草(センニンソウ、キンポウゲ科のツル性植物)だった。
プロトアネモニンという物質を葉や茎の切り口から出し、それに触れると炎症を起こしたり、水ぶくれになったりするという。
それは嫌だなと思うが、プロトアネモニンはアネモネにも含まれるので、それほど特別な毒草だと考えるべきでもないのかもしれない。
身の回り、調べてみれば有毒の植物で美しく咲くものは少なくはないのだ。
スイカズラの黒い実は漢方薬になる。
そのスイカズラと絡み合っているセンニンソウ。
葉も遠目では同じような緑色で似たような形だが、小さいが白く美しい花を咲かせるこの二種のツル性植物は、お互いをどうしようとするだろうか。
学名は Clematis terniflora、 英名 Sweet Autumn Clematis。
そう、この美しき「毒草」はクレマチスの仲間だったのだ。
(2018/09/09)