鎌倉ヤマガラ日記

鳥の話はあれども野鳥観察日記ではない似て非なるもの

春刻

オオアラセイトウは鎌倉の何処にもある。我が家の荒庭も例外ではない。 落ち来るや花の気鬱の酔い暫し さざれ石の我先に行く春活火山 桜林をカーペンターズが駆けぬけてゆく 春宵や遣(や)らずの雨の一頻(しき)り いつの間にひととせは過ぎまた花を見む …

浅間山に近づく時

今年の正月も浅間山を見ることができる場所にいた。 いつもは高崎市内の大きな陸橋の上から見ていたのだが、今年はもっと近づいてみたいと思った。 一番上の写真は高崎周辺から、一番下の写真は甘楽郡からのものだ。 倍率は固定なので、山の大きさが山との距…

風の中の水仙

水仙が咲いていた。 豪華絢爛と咲く花ではないし、場所は庭の片隅の日陰。 そもそも誰かが植えたのか、あるいは私が土を移動した時に土の中に隠れていて、それが芽を出して成長したのか、それはもう分からなくなっていた。 それでも去年よりも背が伸びた気が…

今を語るには

I. 「今」を語るとしたら、その語り方には幾つかの方向付けがあるだろう。 1)今だけを語る 2)過去から辿って今を語る 3)未来を望んで今を語る 1)「今」というのは尚も過ぎていく時間を含むのであって、完全に確定しきったことではない。 これだけを…

名詞化すること

「もの」と「こと」の関係について関心を持ち続けてきたことは前にも書いている。 それに関して、名詞化ということに今は引っかかっている。名詞化というのは、動詞や形容詞などを名詞にするというほどの意味で、それをたやすく実現するのは、例えば「〜する…

木瓜(ぼけ)の花

しばらく書くこともないとしておきながら、これは書いておきたいと前言を翻す。 書くこともないと書いたのは、ここしばらく、ある懐かしいプログラミング言語をまた使いたくなってリハビリ中で、それに時間を取られて余裕がないと考えてのことでもあったのだ…

塩害の後の一ヶ月

2018年9月末の台風24号はきっと私の記憶に長く残ることだろう。 それが滅多に無いほどに強力な台風であることは事前に知っていた。 南側に空き地ができてしまったので、南風はもろに吹き付けると考えていた。 それなりの準備もしていたが、それ以前に…

センニンソウ

南側のスイカズラの生け垣に紛れ込むように伸びていたツル性植物があった。 スイカズラを圧迫してほしくないと感じて、そういった蔓の類はなるべく切り捨てようとしてきたのだが、この一画、スイカズラの葉の上に覆いかぶさるように広がったツル性植物だけは…

朝焼け

今朝方、まだ明けやらぬうちに目が覚めて窓の外に朝焼けの空を見た。 「トトロの耳」はここから北側だ。 その方角の雲が赤くなるのは、南側に高い湿度があるせいだろうか。 この色づき方なら今日は雨にはならないのだろうと思う。 でも、夕方にはにわか雨ぐ…

無花果とオクラ

一段落した酷暑、そして、台風の大雨。 恐ろしき大自然の脅威を目の当たりにすることの多い今年。 人間の力の及ぶ範囲は実に小さいのだと感じる。 花を見たくて植えているオクラが育ち、美しい花を次々に咲かせると、その結果がやってくる。 毎日見ずに、う…

酷暑の後に来た夏?

酷暑が少し一段落したのかと思ったら、また猛暑日なのだそうだが、庭の植物にも微妙な変化が現れる。 しばらく実を付けなかったか、付けても表面がひび割れたトマトのように植物たちが炎天に負けたかのようだった。 オクラも枝を伸ばしながら花は少ししか咲…

キツネとあの鯨 Fox and the Whale by Robin Joseph

久しぶりに心を動かされるアニメーションを見た。 たかだか10数分のショートフィルムだが、映像だけでもとても素晴らしい。 波やうねる海などのリアルさはそれなりの技術があってのことだろう。 Fox And The Whale - Animated Short Film 自然(森や海)の…

雲に乗りたい。 幼い時からずっと今に至るまで変わらない想い。 飛行機が雲の中を過ぎる時の周辺の水滴と白さ。 それから子どもがぐずるような、あの、くすぐったげで微細な振動。 乗れないのなら、せめて雲の写真を撮るためだけに旅をしようか。  その想い…

過ぎていく日々

もう一ヶ月も経ってしまったのか。 本当に瞬く間に時間は過ぎるものだ。 浅間山の見える土地を探しに群馬に数日行っていたせいもあるけれど、荒れ庭のそこここに静かな変化が続いていたのに今更ながらに気づく。 3種類のクレマチスのうち最後に咲いた釣鐘形…

3種類のクレマチス

ホームセンターで見かけて、出来心で買ってしまったクレマチス3品種の花がやっと揃った。 上の方の、ここしばらく咲いている紫の蕊のものが鉄線で、蕊部分が白か薄緑のものが新たに咲き出したものだ。 写真の下の方に咲いているのがそれだ。 花弁まで薄い緑…

この赤が好き

今年は日光が強すぎてキュウリが早く終わるとか人から聞いたのだが、水耕栽培のトマトはげまだ元気でほぼ毎日のように収穫が有る。 キュウリも一本の銘柄は終わってしまったが、もう一本はまだ花を付けているから、まだ数本は採れるだろう。 一本の苗から2…

花咲けばこそ夏

そう、とうとう、播いた年にヒルザキツキミソウが咲いた。 野の花だといえば野の花なのだが、以前住んでいた辺りの散歩道の土手に群生していたのが忘れられずに、性懲りもなく毎年種を播いては花を見ず、翌年に幾許か咲くだけだった花だ。 昨年播いたのが今…

トウモロコシの悲劇

昨日のことだ。 下の写真は一昨日のトウモロコシの様子。 今年は日照条件も改善し強風に倒されることもなく、トウモロコシが順調だ。 早い話、私が作っている作物は、トマト、キュウリ、枝豆、トウモロコシ、皆、私自身の好物というだけなのだ。 それだから…

オクラの朝とクレマチスの昼下がり

何故、オクラの花言葉は「恋の病」なのだろうか。 その花が、一日、いや、数時間しか開いていない、命の短い花だからなのだろうか。 それとも、恋に窶(やつ)れた人の細くなった指に実が似ていたせいか、時機を逸すると食べられないほど硬くなる実を嘆いて…

かすかな木陰で

久しぶりに快晴の日だった。 快晴であればこそ、そこここに出来た僅かばかりの木陰が麗しく思え、そこにある花たちが尚のこと美しい。 むやみに書き連ねるのも気が引けるけれど、かすかな木陰にあって美しいと思った花を記憶(いや、記録か)に残しておきた…

晴れの日の花たち

まだ西日本では大雨が続いているのだろうか。 少なくとも河川の氾濫や浸水家屋のニュースは続いている。 谷あいの「谷戸」だらけの鎌倉も他人事ではない。 私が中学生の頃だったか集中豪雨ですぐそばの畑に市の山の、それこそトラック大の大きな岩が二つほど…

庭を見せなさい、そうすれば

庭とその主との関係について少し前に書いたのだが、 英国の作家・詩人の The Garden That I Love という本の中に、こんな名言があることを今日知った。 Show me your garden and I shall tell you what you are. -- Alfred Austin (私訳) あなたの庭を見せ…

大自然のこと

20時過ぎの地震はこの辺りでも震度3だったが、印象は4近かった。 続発する地震は、日本全体が軋んでいると思わせる。中央構造線に沿って巨大な変化が起きるのではないかと思ったりする。 沖縄には強い台風が近づいている。 そして、西日本は数十年に一度…

雨のクレマチス

曇り空でまとまった雨も降らない天気だと書いていたら、夜中には結構な量の雨が降った。 でも、今は小降り。 強雨だと、トマトの実が落ちたかもしれないと思って朝方に見に行くと無事。 今朝は8個。毎日こうだと素晴らしいのだが。 雨のせいかキュウリも急…

雨降りのような日

西日本は大雨だと聞くが、こちらは曇り。 ささっと降ってきたかと思うとまた止んでしまう。 はっきりしない。 私の発案した風力発電風車(?)の試作品が、昨日からずっと発電した電気でIt's a small worldを鳴らし続けている。 それほど風はあるのに、雨が…

野にあるような庭を作ることはできるのだろうか

生花の世界では「野にあるように」花を生けるという行き方がある。 そのことは私がまだ高校生だった頃からずっと頭の片隅にある。 華道を嗜んでいたわけではなかったが、奈良の親戚に遊びに行った時、その床の間に生けられた茶花を見たのがきっかけだった。 …

花の季節

昨日は半夏生だったのか。 「花の季節」と言ったら、それはおそらく春のことなのだろう。 しかし、花が咲くのは春だけに限ったことではないし、新緑の頃にもさまざまな花が咲く。 おそらく、日本では「花」は桜で、それゆえ「花の季節」は春になり、それから…

畑とも呼べない畑・今年の水耕栽培ほか

今年は屋外水耕栽培でキュウリ2樽、ゴーヤ1樽、中玉トマト2樽、トマト1樽を試みている。 昨年、キュウリを1樽、晩夏から秋口に採れるものを試して、やや時期遅れだったが四、五本ほどの実りがあったので、今年は夏前からもう少しやってみようかと思って…

霧の日

昨日のこと、4時過ぎに目が覚めてトイレに立つ。 窓を開けて驚いた。 霧ですぐそばの山が霞んでいる。 少し遠くの家はもう全く見えない。 よほど湿度が高かったのだろう。 スマホでちょっと撮影した光景はどこかの山奥のようだ。 駅から歩いて十数分の山奥…

瓦と土偶

木造瓦屋根の家を壊すと後処理に困るのが瓦なのだそうだが、私は解体業者に瓦を持って行ってもらわないことにしていた。 和風建築にこだわりがあるというわけでもないのだが、愛着のある家であったし、最後はその瓦屋根の一部にノウゼンカズラが気根を食い込…