光
オオアラセイトウは鎌倉の何処にもある。我が家の荒庭も例外ではない。 落ち来るや花の気鬱の酔い暫し さざれ石の我先に行く春活火山 桜林をカーペンターズが駆けぬけてゆく 春宵や遣(や)らずの雨の一頻(しき)り いつの間にひととせは過ぎまた花を見む …
雲に乗りたい。 幼い時からずっと今に至るまで変わらない想い。 飛行機が雲の中を過ぎる時の周辺の水滴と白さ。 それから子どもがぐずるような、あの、くすぐったげで微細な振動。 乗れないのなら、せめて雲の写真を撮るためだけに旅をしようか。  その想い…
何故、オクラの花言葉は「恋の病」なのだろうか。 その花が、一日、いや、数時間しか開いていない、命の短い花だからなのだろうか。 それとも、恋に窶(やつ)れた人の細くなった指に実が似ていたせいか、時機を逸すると食べられないほど硬くなる実を嘆いて…
久しぶりに快晴の日だった。 快晴であればこそ、そこここに出来た僅かばかりの木陰が麗しく思え、そこにある花たちが尚のこと美しい。 むやみに書き連ねるのも気が引けるけれど、かすかな木陰にあって美しいと思った花を記憶(いや、記録か)に残しておきた…
まだ西日本では大雨が続いているのだろうか。 少なくとも河川の氾濫や浸水家屋のニュースは続いている。 谷あいの「谷戸」だらけの鎌倉も他人事ではない。 私が中学生の頃だったか集中豪雨ですぐそばの畑に市の山の、それこそトラック大の大きな岩が二つほど…
今年は屋外水耕栽培でキュウリ2樽、ゴーヤ1樽、中玉トマト2樽、トマト1樽を試みている。 昨年、キュウリを1樽、晩夏から秋口に採れるものを試して、やや時期遅れだったが四、五本ほどの実りがあったので、今年は夏前からもう少しやってみようかと思って…
月食に限ったことではない。 流れる叢雲の中に光る月を見ていると月が空を航海していくような気がする。 そして、当然なことだが、この満ち欠けし時には翳って消える月は、時をも渡る舟なのだ。 そのことを、広大な宇宙の中の地球と月と太陽の配置が強く印象…
数十年ぶりの寒波と言う。 東京や横浜で雪が降っても鎌倉は微かにちらつく程度であることが多いのだが、今回はあっという間に積もった。 記憶に残る鎌倉の大雪は二十年も以前のことか。 水気の多い重たい雪で気温が低かったためか竹もあっという間に雪の重み…
みなとみらいの横浜美術館に行った後でパンケーキとアイスコーヒーを夕涼みがてらテラスで楽しんでいたら、花火が始まった。 横浜開港祭だとは知らずにいたので、花火は一種の幸運だった。 引退した日本丸の帆柱の美しさを見ながら花火を見た。 なんだかとて…
Noctiluca scintillans 2017/05/05 Kamakura Yuigahama Beach 鎌倉 由比ヶ浜海岸 こんな由比ヶ浜の海は見たことがない。 広範囲の赤潮が海を紅に染めた夜、海は夜光虫でいっぱいになっていた。 波が青く光って打ち寄せては崩れる。 波の衝撃に反応するおびた…