住む
オオアラセイトウは鎌倉の何処にもある。我が家の荒庭も例外ではない。 落ち来るや花の気鬱の酔い暫し さざれ石の我先に行く春活火山 桜林をカーペンターズが駆けぬけてゆく 春宵や遣(や)らずの雨の一頻(しき)り いつの間にひととせは過ぎまた花を見む …
今年の正月も浅間山を見ることができる場所にいた。 いつもは高崎市内の大きな陸橋の上から見ていたのだが、今年はもっと近づいてみたいと思った。 一番上の写真は高崎周辺から、一番下の写真は甘楽郡からのものだ。 倍率は固定なので、山の大きさが山との距…
水仙が咲いていた。 豪華絢爛と咲く花ではないし、場所は庭の片隅の日陰。 そもそも誰かが植えたのか、あるいは私が土を移動した時に土の中に隠れていて、それが芽を出して成長したのか、それはもう分からなくなっていた。 それでも去年よりも背が伸びた気が…
もう一ヶ月も経ってしまったのか。 本当に瞬く間に時間は過ぎるものだ。 浅間山の見える土地を探しに群馬に数日行っていたせいもあるけれど、荒れ庭のそこここに静かな変化が続いていたのに今更ながらに気づく。 3種類のクレマチスのうち最後に咲いた釣鐘形…
昨日のことだ。 下の写真は一昨日のトウモロコシの様子。 今年は日照条件も改善し強風に倒されることもなく、トウモロコシが順調だ。 早い話、私が作っている作物は、トマト、キュウリ、枝豆、トウモロコシ、皆、私自身の好物というだけなのだ。 それだから…
20時過ぎの地震はこの辺りでも震度3だったが、印象は4近かった。 続発する地震は、日本全体が軋んでいると思わせる。中央構造線に沿って巨大な変化が起きるのではないかと思ったりする。 沖縄には強い台風が近づいている。 そして、西日本は数十年に一度…
生花の世界では「野にあるように」花を生けるという行き方がある。 そのことは私がまだ高校生だった頃からずっと頭の片隅にある。 華道を嗜んでいたわけではなかったが、奈良の親戚に遊びに行った時、その床の間に生けられた茶花を見たのがきっかけだった。 …
今年は屋外水耕栽培でキュウリ2樽、ゴーヤ1樽、中玉トマト2樽、トマト1樽を試みている。 昨年、キュウリを1樽、晩夏から秋口に採れるものを試して、やや時期遅れだったが四、五本ほどの実りがあったので、今年は夏前からもう少しやってみようかと思って…
木造瓦屋根の家を壊すと後処理に困るのが瓦なのだそうだが、私は解体業者に瓦を持って行ってもらわないことにしていた。 和風建築にこだわりがあるというわけでもないのだが、愛着のある家であったし、最後はその瓦屋根の一部にノウゼンカズラが気根を食い込…
家を解体して家の姿がなくなると、そこには「跡地」という名の空白が現れる。 跡地といえば、何かの跡なのであって、それが古寺などであれば礎石や何かしらの遺構が残り、そのかっての姿を想起させるのだが、小さな木造の家は何も残さなかった。 それを予想…
ケシ科シラユキゲシ属の耐寒性多年草だが、最初は一株だけ購入して植えたものだった。 ほどなく清楚で可憐な白い花を幾つか咲かせ、やがて花期が終わった。 この時点で「これだけ可憐な花なのだから、長持ちはしないのかもしれない」と半ば悲観的になりなが…
庭の南西側の一画にスイカズラが繁茂している。 もともとはツツジが生け垣のようにして植えられていたのだが、一時バラのアーケードにしていたのが途絶え、そこに今度はスイカズラが根を下ろし、やがて繁茂した。 ツツジも生きて花をつけるが、私はツツジが…
この写真もだいぶ時間がずれてしまっている。 そうだ、この数カ月に起こったことを時間軸に沿って語ることはできないと諦めた。 話が行きつ戻りつする中で自ずと何かが見えてくれば、私なりに目的を果たせる気がする。 味気のない金属フェンスが嫌だったので…
これは完全に時間がずれている。 これを書いているのは6月半ばなのだが、写真は5月上旬だったろうか。 久しぶりに庭から山を見上げて若い緑の葉叢を見て、「育ったものだな」と思う。 この、私が「トトロの耳」と呼んでいる二本の木は、私が幼かった頃には…
人生に一度か二度しかないだろう重大で深刻な変化が起きたことをブログにうまく綴れる人はいるだろうか? 日々の記録、そういった性質のブログであるなら、人生の大事をその日常的な「日々」のページの中の一枚に埋め込んで語れるとは思えない。 実際にそう…
数十年ぶりの寒波と言う。 東京や横浜で雪が降っても鎌倉は微かにちらつく程度であることが多いのだが、今回はあっという間に積もった。 記憶に残る鎌倉の大雪は二十年も以前のことか。 水気の多い重たい雪で気温が低かったためか竹もあっという間に雪の重み…
学生の頃にフランス文学で、『夜歩く』だったか、そのような名前の本を読んだことがあった。 細かい中身はもう覚えていないが、夜中に街を歩きまわる面白さを教えられたような記憶がある。 いや、建物の中だって夜は何かが趣きを変えるものだ。 夜の家々、夜…
この数年、その中でも特にここ一、二年、天候の定まらなさというか今までとは質の異なった易変性を感じる。 梅雨は梅雨らしからず、晴れの日も多く、降るときは降るときで梅雨前線の雨というより突発的な大雨が降る。 冬が春に、春が夏になっていく過程でも…
生花をflower arrangementと言うのであれば、私がやってみたいと感じているのは「野を生ける」こと、野のアレンジメントなのだろうかと思っている。 高校生の頃、奈良の親戚の家に泊めてもらって奈良巡りをしたとき、その家の老婦人が私が帰ると必ずお茶を、…
毎年、6月の初めから前半に梅の実を採ることになっている。 今年は見た目、実の大きくなり方が遅く、小さな実が鈴なりになっているような印象だったので収穫を躊躇っていたのだが、風の強い日が続くせいか実がポタリポタリと音を立てて落ちてくる。 落ちて…
庭の北東側は山に接しているので、そこには崖が有る。 崖といっても草木をかき分ければ登っていける程度のものだが、その麓の一部としてけっこう大きな一枚岩があって、そこにイワタバコ(Conandron ramondioides)が群生している。 鎌倉というとイワタバコ…
「これは復讐かもしれない」 そう思った。 数日前の、まだ薄暗い早朝のことだ。 二階から見ていて、麦と詰め草に囲まれるように見慣れぬ薄桃色の花が四、五咲いているのに気がついた。 その横には金蓮花が少しずつ葉を広げている。 あれもまた鳥の撒き餌から…
それなり科学の世界に身をおいてきて、そしてそれはある意味でとても人工的な世界であって、というのは、科学は自然を扱うものでありながら自然から一歩引き下がって自然を客観化しようとするものだからであり、無論、自然に没入するタイプの科学者もいるけ…
「あの、お庭のアレ、麦ですか」とお隣の絵本作家さんが言った。 「ええ、麦みたいなんですよ、餌台の撒き餌が落ちて芽が出てしまったみたいでね」と私。 「珍しくて懐かしい、一本もらって行っていいですか」 「ああどうぞどうぞ、面白くてそのままにしてる…
こんなニュースを見て、「おや5月6日だけか」と思いつつ、今後拡大していくならいいがと思った。 http://news.mynavi.jp/news/2017/04/27/329/ 住民を特別優遇しようというのではなく、観光客の驚くべき増加によって圧迫される住民を保護したいということ…
「野鳥の餌」の不思議と言うか当然のことなのだが驚かされると言うか、なんとそれは麦だった。 しばらく前からバードフィーダーを吊り下げた木の周囲に小さな稲の茎や葉のようなものが伸びてきているのに気づいていて、それが実に見事に木を取り囲んでいるの…
アカツメクサの大きな葉にとまっていた小さなムラサキシジミらしき蝶。 1センチ5ミリくらいしかないだろうか。 じっと動かなかった。 なぜか接近して撮影するのを遠慮した。 自転車庫の裾に咲いていたケシの仲間の鮮やかな花の色と蕾を覆う細かな毛の一本…
数日前からか鶯の声をよく聞くようになった。 よく聞くと言っても始終鳴いているというわけでも、確信して鳴いているわけでもない。 どこかまだ季節に戸惑っている、そんな鳴き方だ。 ああいう熟しきっていない鳴き方はさすがの蛾眉鳥でも真似られないだろう…
世界的に「反グローバリズム」の嵐が吹き荒れていると言う。 そうかもしれないし、事実はそうでないのかもしれない。 グローバルであることに世界は傾斜してきた。 しかし、それは人を疲れさせる。 なぜなら、人は、いや、ありとある生き物は小さな自分の環…
今年正月二日に遠く望んだ浅間山 たまたま広角レンズを付けたコンパクトなデジカメしか持っていなかったので、これは粗くなるのを覚悟の上で超拡大した写真だ。 薄曇りの日だったが、しばらくの間くっきりと山が見えていた。 浅間山が好きになってから随分と…