この梅の古木は多分私より長くこの地に生きてきた。
季節にはまだ非常に多くの実をつけて、ジュースや梅酒の大瓶が幾つもできる。
枝ぶりは長い歴史の中の成長の起伏を物語る。
ヤマガラは昔からずっとここに居たのだろうか。
小さい頃の私にはその記憶はない。
まだ外は寒い。
ヤマガラの声が厳しい空気を引き裂く。
あの小さな身体で。
梅の咲くのを何か特別なことのように思うようになったのは比較的最近のことだ。
だから、いつも私の見る梅は匂いたつ満開の梅だったのだが、それが最近では、咲き始めた梅しか見ていないような気がする。
時間が気づかぬうちに過ぎるのか。
梅の匂うや 地鳴き山雀 枝の橋
(2017/01/17)