庭の、バードフィーダを幾つか設置した雑木の傍で拾った、様々な大きさと少しだけ異なった色の羽。
庭に来る鳥は、カラス、キジバト、ヒヨドリ、アカコッコならぬオオアカハラ、ガビチョウ、ウグイス、ヤマガラ、シジュウカラ、スズメ、メジロなど大きさも色合いも様々だが、この羽の持ち主(元、持ち主)は誰だろう。
そうそう、遥か上空まで考えれば、トビたちも候補者になるだろうか(もっとも、トビの羽は模様がこれらの鳥より特徴的だろう)。
そして、カラスは除外してもいい(以前はしばしば大きな羽音に驚かされたのだが、ミニトマトや枝豆を盗られまいと、あの不思議な発明品である「カラスなぜ逃げる」を設置して以来、全く見かけなくなったから)。
しかし、それ以外の情報はなく、鳥類の形態学なんて真面目に学んだこともないから、私にできるのは当てにならない憶測だけだ。
それでも、それぞれの羽が空を切る様子を想像しようとする。
そして、それが全くもって容易なことではないと気づく。
一枚の羽は翼の一部であり、その何処の位置にあるかによって形も微妙に違えば、機能も大きく違うだろう。
飛び方にしても、同じ「カラ族」であっても、ヤマガラ、シジュウカラ、スズメの飛び方はかなり異なっている。
一番小さな羽が仮にヤマガラのものだったとしても、そのどの部位の羽毛なのだろう。
どうやったら、この翼の「部品」からその翼を、そしてその所有者(正確には、元所有者)をイメージできるのだろう。
ただ少なくとも確かなことは、その所有者は生きてここに来て、そこで何らかの理由から一枚の羽を落とし、生きたまま飛び去ったのだということだけだ。
たった一枚の羽について、知らないことの多さ、大きさに今更ながらに私は驚いている。
(2017/01/21)