これは完全に時間がずれている。
これを書いているのは6月半ばなのだが、写真は5月上旬だったろうか。
久しぶりに庭から山を見上げて若い緑の葉叢を見て、「育ったものだな」と思う。
この、私が「トトロの耳」と呼んでいる二本の木は、私が幼かった頃にはもちろん、ここから仕事で中京地区に移住した頃にも目立たなかった。
実際に、その頃にはまだ無かった木なのかもしれない。
トトロの耳ははっきりしているが顔があるわけではない。
むしろ、あっちを向いて寝転がっているトトロの背中が新緑の緑。
空に飛び上がる時の両手を広げた後ろ姿のようでもある。
ここに帰ってきて、山が以前より深くなったと感じることが多い。
公園化して木を守っているせいか、あるいは、逆に財政貧困な鎌倉市が手を十分に入れずに、伸び放題にしてきたからなのか、そのどちらであるのか私にはわからないが、それでも山の端は昔に比べ高くなったし、野鳥や小動物も増えているように感じる。
山が迫って来ている、そんな印象が強いのだ。
トトロの耳は歴史の名を関した小山に寝て、何の声を聞いているのだろうか。
(2018/06/17)