昨日のことだ。
下の写真は一昨日のトウモロコシの様子。
今年は日照条件も改善し強風に倒されることもなく、トウモロコシが順調だ。
早い話、私が作っている作物は、トマト、キュウリ、枝豆、トウモロコシ、皆、私自身の好物というだけなのだ。
それだから、それだけ愛おしくなる。
そろそろ一本くらいは採って試食してみようか。
そう思っていた、その翌日の朝。
何かがおかしいとは思ったが、何が起きているのか直ぐにはわからなかった。
十数本のトウモロコシのうちの何本かが倒れている。
昨夜は少し風があったか?
それにしても・・・
そして、ようやく何が起きたのかがわかる。
トウモロコシが食い荒らされている!
しかも、実に綺麗に皮を剥いて、ひと粒残らず綺麗に、だ。
粒を綺麗に一列ずつ食べるのを自慢気にする人もいるけれど、そういう人が食べたかのように実に見事に食べている。
一瞬だけ、誰か飢えた御仁が盗んで食べたのかと考えたが、そんなはずはない。
人間が生まで食べて美味しいほどのトウモロコシではないだろう。
しかし、この見事な皮剥き術は?
こうなると、犯人はアライグマ以外にはないと結論する。
十数本のトウモロコシに付いていた実が一晩ですべて完食状態になっていた。
改めて連中の手の(前足の)巧みさに感嘆するものだ。
そこまで来て、怒りがやっとこみあげてくる。
昨年も一昨年もトウモロコシは食害に会ったことがない。
まあ、それほどの出来栄えではなかったとも言えるのだが、今年は良好だなと思って、しかも、今日にでも一本試食して、と楽しみにしていたのを、まさに、トンビに、ではない、アライグマにトウモロコシさらわれたのだから!
もちろん、鎌倉周辺にアライグマが自然に生息しているはずはないのだが、もう十年以上も経つだろうか、何処かから逃げた(あるいは飼育しきれなくなって放棄された)アライグマが子どもを作り、しかも、天敵らしい天敵がない環境で急激に繁殖してから。
道でアライグマを見かけることも少なくないのだが、市は害獣指定して狩猟(?)許可も出していて、そこそこ減少しているという話だったけれど、本当に減少しているのだろうか。
アライグマは「ラスカル」のようにお茶目で可愛い動物というよりは、相当度に凶暴な動物だと、かのムツゴロウ氏が言っていた。
確かに金属製の金網などは平気で食い破るし、人に噛みつくことも有る。
小学生らが社会見学とかで鎌倉の山にたくさん送り込まれてくるけれど、教師たちはアライグマについて十分な情報を得て、そうしているのだろうか?
それこそ、こういう山がちの場所ではマダニも少なくないし、当然、それに食いつかれている野生動物も病気に感染している可能性だってある。
それに噛まれる可能性はあるのだ。
ちょっと前だが、鎌倉ではないが、マダニに食いつかれた猫に噛まれた人が亡くなっている。
私は、いつもそのことが気になっている。
小動物の急激な増加は環境を急激に変質させることがあるものなのだ。
鎌倉は、以前はマムシも多かったが、最近は少なくなってはいるのだろうけれど、絶滅したとは聞いてはいないし、普通に見かけたものだったヤマカガシは、以前は無毒と言われていたが、今や立派に毒蛇に分類されている。
増加した小動物のいる山には当然それらを狙う、捕食する者たち、寄生する者たちが増えることになるわけである。
鎌倉は、そういう意味では平和な場所ではなくなっているのだ。
さて、しかし、怒りに任せてアライグマを叩き殺すべきか?
彼らを天敵のいない野に放ったのは言うまでもなく私と同じ人間だ。
アライグマはトウモロコシが誰のものであるかなどと言った所有の概念を持ち合わせてはいないだろう。
彼らを犯罪者とすることは難しい。
それでも、自治体は彼らを駆除することを余儀なくさせられている。
まさに、タイワンリスで起きた問題がアライグマに拡大し、きっと次にはもっと凶暴な・・・・
もはや露地植えは断念すべきだというのが私の当座の結論だ。
彼らが食にありつけば、また問題は大きくなる。
観光客の置いていった食べ物、あるいは、食事中の弁当がさらわれて、そうしてトビが湘南一帯では大繁殖したのと同じことが起きれば、どうなるか?
何か基本的なレベルで考えなければならない事態になっている気がする。
というのが、楽しみにしていたトウモロコシをさらわれたショックから一日経って大の大人の私がやっと考えたことだった。
防虫(防獣?)ネットの中ではトマトは無事に豊作を続けている。
そのトマトで昨日の私の驚きを表現してみたのだが、
「驚きにもならない」というのはこういうことだろうか・・・
(2018/07/21)