酷暑が少し一段落したのかと思ったら、また猛暑日なのだそうだが、庭の植物にも微妙な変化が現れる。
しばらく実を付けなかったか、付けても表面がひび割れたトマトのように植物たちが炎天に負けたかのようだった。
オクラも枝を伸ばしながら花は少ししか咲かなかった。
それが、この二三日、やや涼しくなった(と言ってもまだ30度はあるのだが)かなと感じる中で、幾つも花を付け、実を付け出した。
トマトもひび割れずに瑞々しい実を付ける。
キュウリはいささか形が奇妙なものの、味に異常はなく。
本来なら5月から7月に咲くはずの(というのは中京圏での経験だが)ヒルザキツキミソウは播いた時期がやや遅かったせいもあるのか遅咲きだったが、酷暑の中では花を見なかった。
それが、この二三日息を吹き返したようにまた元気に咲いている。
そう言えば、ムクゲも数多く咲いている。
まるで、初夏が戻ってきたようだ。
ここ何年も季節感が混乱する気候が続いてきたが、今年は極端だった。
日本だけでなく、世界的な異常気象の報道が相次いでいる。
そんな中で、自然がふと「我に返った」かのように、季節相応になる。
いや、というより、酷暑の後で「普通の夏」になった感があり、そのなかで植物たちも息を吹返しているのかもしれない。
そう言えば、もう8月の終わり。
季節だけでなく、いろいろと混乱がある年だった。
過去形で言うにはまだ早いが、季節のように、少しは収まって静けさが戻るといいなと思う。
なんだか、自分はまだ「我に返れていない」気がしているからだ。
普通が続けば人は飽き、異常が続けば普通を懐かしむ。
どんな生き物もそうなのだろう。
変遷と定常、生はいずれに?
(2018/08/30)