久しぶりに快晴の日だった。
快晴であればこそ、そこここに出来た僅かばかりの木陰が麗しく思え、そこにある花たちが尚のこと美しい。
むやみに書き連ねるのも気が引けるけれど、かすかな木陰にあって美しいと思った花を記憶(いや、記録か)に残しておきたくなる。
ムクゲの花は私には田舎の農家の庭を思い出させる。
柔らかな静かな空間を。
だからかもしれないが、私はムクゲを見ると幸せな落ち着いた時間を感じる。
静かな木陰に咲くムクゲは尚更だ。
夏の陽光が強くなればなるほど、木陰の涼やかさが際立ち始めるのだ。
このアジサイはブルーベリーの細い幹に寄り添うような形で咲いていた。
なんという美しい形なのだろうと、小さな萼と花を見て思う。
この、花の集合体が一緒になって大きな水の玉をを抱いている姿を想像してみる。
学名のHydrangea、「水の器」とはよく名付けたものだと思う。
アジサイと光の関係は、どこかでギリシャ神話の神と花の関係を思わせる。
光が花を愛し、その花がまた光を恋するようだ。
遅い午後、花たちは往ってしまおうとする光を惜しむだろうか。
(2018/07/08)